【雑稿】ロンドン・スピリチュアリズム

ロンドン・スピリチュアリズム

掲載日:2006年5月16日
(1)

私が、上のようなタイトル名を用いたのには理由がある。他にも英国スピリチュアリズム調査旅行、などとしても良かったのかも知れない。しかし、それでは当時(20年ほど前)スピリチュアリズムのメッカとなっていたロンドンの雰囲気や、スピリチュアリズムの何たるかに触れたい世界各地からの訪問者たちが、当時のロンドンに巻き起こす熱狂のようなものを到底伝えきれない。そこで、私はそれを写真などで補おうと思う。
と同時にこの研究室は、しばし随想の続きということになろう。

(2)

SAGB(英国スピリチュアリスト連盟)の歓迎と親切

トム・ヨハンセンについては、既に「ホームページ開設に寄せて」のところで触れたが、ここでさらに当時のロンドン・スピリチュアリズムの一角に焦点をあててみたい。私が初めてSAGBを訪ねた時、彼は私には思いがけない歓迎と待遇で私を迎えた。彼は極東から来たばかりの未知の私に対し、いきなりこう言った。「あなたはここに来てから帰るまで、この建物の中で行われる霊媒のデモンストレーション(ここではいわゆる霊視と同じ)や、レクチュアを自由に体験し、また学ぶことができる。すべては無償である」と(通常は、何がしかの費用を払わされる)。このような厚遇は、私が日本から来たスピリチュアリストであること、またヨハンセン氏はロンドンスピリチュアリズムの先端にあって、私に対して兄貴分としての寛大さと、教育者としての一面を示したのではなかったのか。ちなみにヨハンセン氏は、霊的治療家としてよく知られた人であり、またその婦人コーラル・ポージュは、当時、英国霊能力者としてのトップとされた人である。さて、SAGBの中で実際行われていたデモンストレーションがどのようなものであったかについて少し触れることにしよう。

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(写真1)中央 コーラル・ボージュ(英国霊能者のベストワン)
向かって左手にいる男性は霊能者である。

写真を参照していただきたい。中央にコーラル・ポージュがいる。右にいるのは、写真を撮る時になって壇上に呼び出されただけの筆者である。会場は、世界各地から訪れたれた人たちでいっぱいである。デモンストレーションは、二人の霊能者が協力して行われるという。まず、左手の能力者(その能力はとても高いという)が、息を呑んで待つ会場の人々を次々に指名し、「あなたの家族にはこのような人がいます。その頭文字はこれこれです」というような、いわゆる霊視を行う。霊能者の言ったことがその通りだと思った人は手を挙げて、イエスと言い、そうでないと思った人はノーと言う。日本とは違ってイエス・ノーがはっきりしているのには感心した。論理的であるとも思った。

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(写真2)コーラル・ボージュが霊視によって描いた心霊画
画かれた肖像が自分の祖父のモノであることを証明する男

いよいよロンドンを去る日私はSAGBを訪ね、「故国の霊媒たちにはあまり信用できない人たちも多い、また日本の昔からの伝統で霊媒を職業としてやり、多額の金銭を取る者がいる」と、ヨハンセン氏に打ち明け、「正しい真性の霊媒を見分けるにはどうしたら良いか」と率直に聞いた。すると彼は、「それは簡単なことだと」答えた。えっと一瞬息を呑んだが、それはあくまでもヨハンセン氏の方法論に沿ったものだった。ヨハンセン氏は次のように言った。「英国の地方に、多くのスピリチュアリストチャーチ(教会)がある。日曜日になると人が集まり、霊媒のデモンストレーションが行われる。その中でも優れた霊媒は、先のイエス・ノーの方法によって選ばれる。選ばれた霊媒はロンドンのSAGB目指して、そこの専属霊媒になるべく志願してやってくる。その時私やることは、同じようなことだ。壇上から霊査のようすを黙って見ている。会場を見ていて、ノーよりイエスの多い霊媒がいれば、その霊媒が選ばれる人だ。君が日本で良い霊媒を見つけたいというならば、私が指名する霊媒を日本に連れて行き、君は日本で私のやったのと同じことをやれば良いのだ」と。残念ながら、わが故国でそれが実現することはなかった。

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