2-(02)死後何が起こるか(付・魂の旅の旅程表)

霊魂は存続する
スピリチュアリズムのすべてのメッセージが力説しているのは、人間とは、「霊的な存在」であるということです。
人間は、物質がたまたま複雑化して成立したのではありません。人間の精神活動は、脳という肉体器官が生み出す電気信号の集合ではありません。
人間は、肉体という物質的な基盤に、非物質的な精神体、つまりは「霊魂」が宿ったものです。そして、その「霊魂」は、肉体を離れても――つまり「死」の後も――、個性(自己同一性)を保ちつつ、別の世界へ移行して存在と活動を続けます。
これがスピリチュアリズムの主張する世界観の根源であり、出発点です。

この物質的な世界は、多くの階層から成り立っている宇宙の、一つの階層です。私たちはこの物質世界に宿っているために、通常認識できるのはこの物質世界だけですが、この世界よりもっと「精妙で波動が細かい」世界があります(もっと「鈍重で波動の粗い」世界もあります)。
私たちの霊魂は、この世での生を終えると、通常はもう一段上の世界へと移行します。
この世を構成している諸事象の法則性と、上の世界の法則性とは異なります。ESPやPKを始めとする「超常現象」は、上の世界の法則性がこの世の法則性に介入することによって起こります。
私たちは、肉体を持って生きている時も、物質世界より精妙な世界に属する「見えない身体」を複数持っています(「複体 Double」とか「エーテル体 Ethelic Body」「精妙体 Subtle Body」などいろいろな呼び方があり、分類の仕方もいくつかあります)、これはESPやPKといった超常的能力や、霊との交信などに際して機能するものです。そして肉体の死が訪れると、霊魂はこの見えない身体を伴って、あの世へと移行します。
ちなみに、生きている間に肉体と「見えない身体」の分離が起こると1-4で述べた体脱体験(OBE)となり、死による移行が途中で中止すると臨死体験が起こります。また、夢を見ている時は部分的にこの分離が起こっています。
死直後の移行過程
死は、霊魂+見えない身体が、肉体から完全に分離することです。
この時、通常の場合は、自らの肉体を上から見るような体験をします。
死直前まで感じていた恐怖や苦痛は、通常、分離した瞬間に消滅します。ですから、臨死体験者が報告するように、「死はこわいものではない」のです。
霊魂は、肉体の重さから解放された、ある種心地よい感覚のうちに、上方に見える光に引き寄せられるように昇って行きます。この時、先に他界した肉親や、「より高位の存在」がそばに付き添ってくれる場合もあります。(この「より高位の存在」を守護霊 Gardian Spirit とか指導霊 Guiding Spirit などと言います)

この後、この世からあの世への移行のプロセスを通過します。
死者は、自らの一生を回顧し、そこで自らが行なった所行の意味を反芻します。
この時、「見えない身体」の一番重い部分が崩壊していきます。より精妙な世界へ移行するために必要なプロセスです。ここである種の不快感を感ずることがあります。マイヤーズ霊は、「短い時間だが、人間を一つにまとめ上げていた諸部分の外見上の解体と一時的な混乱の時期がある。この不愉快なことどもを思い出さないようにしたいものである」と、非常にもってまわった言い方で述べています。生まれ変わり研究の大家スティーヴンソンも、再生記憶を持つ人々の中に、この不快感を伴う過程のことを憶えているケースがあることを紹介し、「人間の死への恐怖は死そのものではなく、この過程への忌避感なのかもしれない」と述べています。

事故や戦争などで突然の死を迎えた場合、魂は衝撃のあまり、自らが死んだことにしばらく気づかないことがあります。直前の悲しみや怒りなどに包まれ麻痺した状態のままになったり、時に茫然と地上をさまよったりすることもあります。しかし、こうした場合でも、高位の存在が手当てをし、やがて死を自覚して、通常の死の場合と同じ道へと向かうようになります。
危険なのは、怨念や怒りを抱えて自殺した人や、残虐な欲望を抱えたまま死刑にされた人のケースです。こうした霊は高位の霊の援助も拒否して暴れまわり、地上や霊の世界へ悪影響をもたらします。(これについては別の項で触れます。)

死は、ゆるやかな形で、当人が自覚しつつ迎えるようなものであることが、できれば望ましいものです。

幻想の楽園
一時の回顧と休息のプロセスを終えると、霊魂は「より高位の存在」に導かれて、「この世より一段階上の世界」へと赴きます。
ここで、霊魂は再び生気と活動性を回復します。
真に愛や縁で結ばれていた場合、先に他界した親・配偶者・子供・親友・ペットなどと、ここで再び出会うことができます。(従って死別を悲しむ必要はありません)
この世界は、物質的世界=この世と、きわめて近い世界です。「より高位の存在」の指導のもと、霊魂はここで、自らの望むような生活を送ります。それぞれが生前に持っていた個性も願望も、ほぼそのまま保ち続けます。
窮乏や病苦はありません。ものを食べる必要もないので、生活苦もありません。住居、衣服などは、この世界に見合った精妙な物質で構成されており、自らの想像力でそれらを作り出したり、指導霊の助けによって作ってもらったりします。
生前に打ち込んでいて、充分になしきれなかった活動を行なうことができます。音楽が好きだった人は好きなだけ音楽活動に、数学や科学が好きだった人はさらに高度な研究に、打ち込むことができます。
似たような精神の色合い、共通の嗜好を持っている魂は、引き合って仲間として暮らします。地上のように、肌合いの合わない人々の中で暮らす苦痛はありません。
ある意味では楽園の世界です。すべてが自らの想像力によって実現するので、マイヤーズ霊の通信ではこの世界を「幻想界」と呼んでいます。
ただし、自我中心的で邪悪な欲望を持っていた人々は、互いに引き合い、その性質にふさわしい環境へと移行します。そこは同じ「幻想の世界」でありながら、殺伐として、粗暴な世界です。
さらなる成長を求めて
霊魂はしばらくこの世界で活動を続けます。望むことがすべてかなう、ある意味では極楽ですが、やがて充足と飽満の時が訪れます。そこにとどまることは、霊魂の成長にとってもはや何の意味もないと自覚すると、霊魂は、「より高位の存在」の指導のもと、次の進路を決定します。さらに上の世界をめざすか、再び物質的な世界へと降りてくるか。
多くの霊魂が、さらなる成長を求めて、再び地上に生まれることを選びます。この時、霊魂は次の人生のおおまかなアウトラインや主要な課題を知っています。もちろん、それはおおざっぱな枠のようなもので、そこに何を盛り込むか、どれだけ成長を果たすかは、それぞれの主体的行動に任されています。再び物質の鈍重な世界の中に没入し、そこで霊魂の足りないところ、未熟なところを陶冶していくのです。(ただし、この「再生」の仕組みは非常に深遠で、人間の知性では簡単に理解できるものではないとされています。別項「生まれ変わりとカルマ」参照)

何度か再生を果たして、充分に成長を果たした霊魂は、さらに上位の世界へ向かいます。それは地上での死と同じようなプロセスです。
「幻想界」より一段上位の世界は、マイヤーズ霊の通信では「色彩界」ないしは「形相の世界」と呼ばれる世界です。「形態」の創造と理想化、そして破壊と再創造が激しく行なわれる世界です。また「類魂」という、近親性を持つ多数の霊の存在に気づくようになります。これらのことは、幻想界の存在、まして地上の存在には、容易に理解のできるものではないとされます。
この「形相の世界」の上にも、さらに高度な世界が何層もあります。そしてそのはるか彼方に「彼岸」「無窮」と表現される、絶対寂滅の世界、あらゆる時間と空間を超越した神の世界があるとされます。
ただし、これらの情報は、マイヤーズの霊がより高位の霊からの教示や伝聞などによって整理したもので、霊界の層の分け方やそのありようなどは、霊信によって差異があります。それは霊信がでたらめなのではなく、解釈・分類法の相違だとされています。(下掲図表「魂の旅の旅程表」参照)
なお、マイヤーズ通信の詳細については、各論編「マイヤーズ通信による「高次他界」の構造」をご参照ください。

「あの世」の重層性
スピリチュアリズムで得られた霊信はどれも、この地上を超えた「見えない世界」は、階層をなしていくつもあると伝えています。下層には物質的で、鈍重で、粗雑な世界があり、上方に行くに従って、精妙で、迅速で、協和的・精神的・倫理的な世界になっていきます(この世は最下層に近い)。
一部の神秘思想が語るように、人間は、死んだらすぐに神と合一するわけではありません。人間という卑小な存在にそのようなことが可能になるわけがありません。霊魂は一歩一歩階層を踏まえて(時には元の世界に戻って再生したりもしながら)、無窮とも言えるような陶冶と成長の旅を続けていくのです。
高い世界には、高い存在がいます。思考力、想像力、創造力、共感力、愛など、いわゆる精神性において非常に発達を遂げた存在です。様々な宗教が説く、人間的な要素を兼ね備えた「神/神々」は、むしろこうした高位の世界の存在のことを指していると思われます。そして高い存在は、下位の世界の存在に対して、愛に満ちた教導を行なっています。私たち人間も、感知できないながらも、高位の存在(守護霊)の緩やかな影響・指導を受けています。そしてそうした高位の存在も、さらに高位の存在から指導を得ています。きわめて高い世界の「偉大な霊 Great Spirit」は、その影響下に膨大な数の霊を養い導いているわけです。

キーワードは「成長」
スピリチュアリズムの説く「霊学」の最重要な概念は、進化・成長です。
あらゆる霊魂(人間ももちろん含めて)は、進化・成長の過程を歩むことが責務です。
この世に生まれてくるのも、物質という鈍重で緩慢な環境で、多様な霊魂と交流しつつ、自らの精神性/霊性を陶冶していくためです。
この過程は死後も続きます。進化・成長のために再生もあります。
「それじゃ疲れてしまう」と嘆く必要はありません。霊的なエネルギーは無尽蔵に供給されます。一つの世界での生を終えたら、休息と反省の時期を経て、再び霊魂は活力を取り戻し、進化・成長の道を歩んでいきます。
この「進化・成長」に背を向け、逆行することが、通常、「悪」と言われるものです。「実在としての絶対悪」のようなものはありません。高位の霊性にあらがい、下位の物質や我欲に向かうことが、「進化・成長」からの逸脱であり、「悪」なのです。
一時的な迷妄によって悪に染まった霊魂も、時間はかかるにせよ、いずれ再び進化・成長の道を歩き始めます。

(付)「魂の旅の旅程表」(マイヤーズ通信による他界の構造)
以下に、梅原伸太郎氏作製の「魂の旅の旅程表」を収載します。これは、マイヤーズ通信(『不滅への道』『人間個性を超えて』)をもとに同氏が作製したもので、世界心霊宝典の『人間個性を超えて』に収録されたものです。同氏のご了解を得てここに再録します。なお、無断転載・複製をお断わりいたします。

ryoteihyou

 

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